Spotifyのレコメンドで遊んだ話

 

  • 概要

Spotifyアプリのプレイリストって末尾にプレイリストからのおすすめの楽曲が表示されるんですよね. こういうレコメンドの背後のアルゴリズムを想像しながらプレイリストを作ったら, 効率よくいい感じの音楽を探せるかなと思って遊んだっていう記事です.

いろいろ試した結果, 日本語でも英語でもネットにそんなに情報がない北欧のいい感じのポップスをいくつか見つけられたので楽しかったです.

  •  背景・動機

コンテンツのレコメンド機能の基本的な構造としては, ユーザーの履歴から近い傾向を持ったユーザー層を推定してその層から評価が高いコンテンツを提示するというものになってます. Collaborative Filteringとか呼ばれるアプローチですがだいぶ雑な説明を書いています.

昔だとユーザーの傾向を表現するのに項目が予め決められていたと思うんですけど (この人はポップスが10好きでロックが5好きでクラシックは1好きなような形),  今のちゃんと組んでるレコメンド機能だと傾向の表現自体から学習してやってくれてるはずです.

 

Spotifyのプレイリスト単位のレコメンド機能を見たときに天啓が舞い降りました.

 

探したい音楽性に合わせて注意深くプレイリストを作れば, 探したい音楽に造詣が深い人の知見からのレコメンドが得られるのでは

 

と.

 

  • 手法の検討

こちらは自分が好きな曲を雑多に突っ込んでいるプレイリストです.

 

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このプレイリストのレコメンドから知って気に入った曲も多数あるんですが, アイカツ!楽曲のサブスクが解禁されたときに好きな曲を適当に入れたらレコメンドの半分以上がアイカツ!関連楽曲・MONACA関連楽曲になって目新しさが消えました.

 

レコメンド機能はユーザーやコンテンツをある程度単純化したモデルを用いるのでわかっていたことなんですが, わかりやすい共通項のある楽曲が多くなるとサジェストが安直なものになってしまい面白くないですね.

 

  • 実験・考察

レコメンド機能を用いた音楽探索の新たな可能性として, 言語が全然違う領域の音楽好きの人々の知見が利用できるということに個人的にすごく期待しているので北欧のいい感じのポップスを探そうと思いました.

レコメンド機能を使うには種となる楽曲がいるので以下をこちらで用意しました.

 

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このアルバムは不動前のDJイベントでmicrostarの佐藤清喜さんがかけていて知りました. 詳細は分かってないですがなんらかの音楽をやっている人のソロプロジェクトみたいです.

 

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この曲はDouglass Carrという人の作曲で, Douglass Carrさんは90年代くらいに日本でプロデューサー的なことをしていました.

その手掛けた作品の一つである佐藤康恵さんのjasuenというアルバムがめちゃくちゃ良かったので調べて知りました. jasuenにはエデンズボゥイというアニメのED曲とかも収録されています.

 

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この曲はよく行くCD屋の楽曲紹介ブログで知りました. XTCとかみたいな英国音楽らしいグッドメロディとスウェデッシュポップの洗練されたサウンドみたいな文言に惹かれて聴きました.

このブログです :

http://www.petsounds.co.jp/page002.html

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この曲はなにきっかけで知ったのか記憶がないんですが, 多分上記3曲関連のレコメンドで知りました. 元々オーケストラとかミュージカル畑の人で20歳までポップスを作ったことはないらしいんですが (英語wikipediaの斜め読み情報), 整ったサウンドの良質なポップスって感じで好きです.

この人のアルバムを気に入ってあるだけdiscogsでポチったらコロナの影響で複数の出品者と何度も英語でやり取りすることになってしまいました.

 

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以上の4曲を基準にして育てたプレイリストがこちらになります.

曲数が少ないうちはユーザー情報が初期値として出てきやすいらしく有名J-POPばっかりでした. 個々の曲に関する周辺情報はほぼないので書かないですがいい感じの音楽が探せて満足しています.

途中レコメンドが好きな音楽性からずれたのでXTC, Squeeze, Prefab Sprout, France Gallあたりの間違いないヨーロッパの音楽を入れて音楽性の誘導を試みてます.

 

(Positive Forceはヨーロッパじゃないですが, 数年前のタワレコAOR特集の目玉商品になってたので知って好きなので混ぜました.

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John Valentiっていう人がやっててその人の音楽もサブスク各種にあるのでお勧めです.)

 

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一曲だけ言及するとこの人のことは全然しらないんですが, サウンドがすごく耳に馴染むなって感じました.

少し考えてから気付いたんですが北欧の音楽といえば昔のインターネットで, うっうーうまうまとか空耳みたいなのが流行ってたのって北欧の音楽でしたね. 自分はその辺をそんなに通ってないんですが意外なところで日本のネット音楽とのつながりを認識して面白かったです.

 

プレイリスト追加したり削除したりしながらレコメンド見てこのアプローチで見つかる部分はあらかた聴けたかなって満足しました.

 

  • 結論・感想

たのしかったです. またやりたいです.