アイカツ!102話の氷上スミレさんが大空あかりさんにアプリコットのフレーバーティーを淹れるシーンが好きだという話
好きなアニメの話をします。
アイカツ!はフォローしてたイラストとか描く人が一時期めちゃくちゃアイカツ!の絵を描いていたのを機に遅れて観ました。
個人的にすごく魅力を感じたのはキャラクターとその関係性の描写の丁寧さで、物語上の要請でキャラクターの認知が歪んでいると思わせるシーンが少なくストレスなく観られた記憶があります。
それが強く感じられたシーンが102話の氷上スミレさんが大空あかりさんにアプリコットのフレーバーティーを淹れるシーンです。
102話は主人公が星宮いちごさんから大空あかりさんに世代交代した最初の回で、コンテクストがないとわからない表現が最低限に抑えられているのでまず観てみてほしいです。
101話まで楽しく視聴し主人公の世代交代に際して果たしてこれまで通り楽しめるかという不安のもと視聴した102話において、このシーンを表現できる製作陣なら178話までちゃんと楽しめると確信させてくれました。
表情やリアクションの機微をテキストで表現できないのですがシーンの概要を簡単にまとめると、
(寮のルームメイトになることになった初対面の大空あかりさんと氷上スミレさん、寮の部屋に二人で入る)
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氷上さん(紅茶好き)、紅茶を淹れることを提案。好みを聞く。
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大空さん(紅茶全然わからぬ)、わからないながらも、お砂糖多めとかかな?と答える。適切な返答になっているか不安を抱いている。
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氷上さん、笑顔で適切な返答であったと伝える。
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氷上さん、アプリコットのフレーバーティー(自然な甘い香りが特徴、飲みやすい)を淹れ横に角砂糖を添えて差し出す。
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大空さん、最初は砂糖を入れずに紅茶を飲む。アプリコットのフレーバーティーが砂糖を入れていない状態で甘い香りがすることに感動。
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(シーン転換)
こういうことなんですよね。テキストの雑なまとめで抽出できた部分はごくわずかですが、穏やかなシーンながら相手に対するリスペクトや仲良くなりたいというきもちがお互いに全身から出ている名シーンです。
アイカツ!の名シーンまとめのようなものが作成されるときにはまず入らないシーンでしょうが、人間性や関係性の描写としてしっかり時間をかけて丁寧にこれを描くことができる製作陣ならば、今後どのようなストーリーが展開されてもキャラクターそれぞれが選んだ道なんだなと納得できると思わせる説得力を感じました。
子供向けアニメは教訓を含むことが多いですが、造詣が深い人間がそうではない人間に何かを薦めるという状況においてこの二人は学ぶべき行動をとっているなと思います。
造詣の深い人間は、相手の無知を馬鹿にせずわかる範囲のことから相手が好みそうな最良のものを選択してさりげなく差し出す。
薦められる人間は、薦められたものを相手が意図した形で触れて理解することを最初に試みる。
分かっていても現実にはなかなか難しいことを教育的な形でなくお互いの相手と仲良くなりたいというきもちの発露としてさりげなく描けることにものすごく感動を覚えますね。
このシーンに限った記事を書きましたが、この102話からのエンディングもめちゃくちゃ好きです。
石川佳代子さんのイラスト、田中秀和さんの曲、こだまさおりさんの歌詞、アイドル各位のボーカル、どれをとってもめちゃくちゃいい。
「鏡の私にキスして笑顔の打ち合わせ」というフレーズのシーンが映像音全部めちゃくちゃ好きです。
近いアニメの名シーン(話)として、
カードキャプターさくら クロウカード編 第16話「さくらと思い出の虹」
がものすごく好きなんですけど、相関図や話の構造が少し複雑なので是非観てくださいとしか言えないです。是非観てください。
この記事はこれくらいにしておきます。