気になっている海外アーティストの情報を日本語でまとめるシリーズ Sofie Royer

Sofie Royer (Sofie Fatourechi, Sofie) は2020年にアルバム Cult Survivor でソロ活動を開始したアーティストで、今年5/3に新曲の配信を行いました。

 

youtu.be

 

気に入ってよく聴いていたんですが、

ふと公式サイトを見たときに

Sofie Fatouretchi Royer has turned in her second studio album. It will be released later this year.

https://sofie.info/

今年セカンドアルバムをリリースする旨がさらっと書いてあってめちゃくちゃ嬉しくなっています。

 

ただあんまり日本語でインターネットにまとまった情報がないので、

情報がある英語記事と日本語での簡単なコメントをつけたものをまとめて置いておこうという記事です。

 

自分が騒いでいる理由については、

  • 配信されている楽曲
  • Spotifyのアーティストプレイリストの選曲

を見たら伝わる人にはなんとなく伝わる気がします。

 

まず彼女の経歴についてです。

英文では、公式サイト等で使われている定型文があります。

こちらの記事での紹介文がその和訳で、英語と音楽に詳しい人が書いていてすっきりした日本語になっていると思います。

KID FRESINOとDJ CH.0によるDJパーティー『Off-Cent』が、Stones Throw、Boiler Roomで話題のフィメールDJ “Sofie”を招聘し2月16日(金) CIRCUS TOKYO、2月17日(土) CIRCUS OSAKAでの2days開催が決定! (2018.01.17) | SPACE SHOWER MUSIC

 

こちらは2018年頭の情報で現在は以下の文章が追加されています。

 

As of 2017 she resides in Vienna, where she studies painting under Henning Bohl at the University of Applied Arts, as well as Philosophy, Psychology and English at the Universitaet Wien, plays violin in the Wiener Akademische Philharmonie, and works as a DJ, with her own radio shows on London’s NTS and Austria’s FM4. Her debut, self-produced solo album, Cult Survivor, is newly released on Stones Throw Records.

Additionally, an excerpt of contributed string performances, and/or arrangement: ORF1, Volksoper, Konzerthaus Wien, Musikverein Wien, Junge Philharmonie, Linda Sharrock’s Abyssity of the Grounds, Knxwledge & Anderson Paak’s Nx Worries, Mndsgn’s Body Wash, Teebs (Brainfeeder), Jonwayne’s Rap Album Two, film score projects for Jasmin Baumgartner’s Robin’s Hood and Lorenz Uhl, Artischoke. 

 

ざっくり要約すると、

 

2018年ウィーンに移住して芸術系の大学で色々しながらラジオDJなんかもしながら過ごしていて、Stones Throw Recordsでソロ活動を始めた。

いろんな人と一緒にいろんな事をしている。

 

ということらしいです。

 

以下では絵画やモデルなど音楽以外の部分での取り組みについてインタビューしており、

当人としては優先順位付けなく、自己実現のプロセスとしてのアートをやっているという感じみたいです(機械翻訳の文章を気持ちで見て要約しました)

www.pw-magazine.com

当人のサイトを見ると展示会とかも頻繁にやっているようです。

 

youtubeにはBoiler Room時代のDJ動画があったり

youtu.be

この辺にラジオのアーカイブが残っていたりしますね。

www.nts.live

 

他のところでは移住の経緯で家族の大病とか複数の事情があったようでその辺りをソロの創作活動に繋げた記事なんかもあったんですが、

個人的に他者に変に解釈を入れたくないという気になったのでスキップしました。

 

おおまかな経歴については上記でさらった気がします。

 

単純に自分が疎くて知らない固有名詞が多かったので個人的にはあんまりぴんと来ていないです。

これ以降は面白かった記事を随時追記するコーナーにしてとりあえずアップロードします。

 

彼女のスタンスについては以下のインタビューも面白かったです。

blonde.de

 

1個に絞るんじゃなくて表現事を全部やるスタンスの自分を言い表す言葉として宮廷道化師 (court jester) を使っており、なるほどねって思いました。

youtu.be

この仮装にも意味があったんですね。

 

ファーストアルバムのときのしっかりしたインタビュー記事。まだ見ていない。

www.weirdomusicforever.com

最近聴いている音楽2020/10

気付いたら寒くなってきた気がします.

久しぶりにブログを書こうと思ってまとめた, 紹介したかった曲のプレイリストです.

https://music.apple.com/jp/playlist/2020-10/pl.u-RRbVv17s3xzNVWD

今年はずっと引きこもっているので自分用の買い物メモ的なまとめになっています.

 

  • ラブソングをかけて / 降幡愛

song.link

現代の80年代シティポップブームみたいなやつ, 現代的にスタイリッシュに仕上げるために削られている側面っていうのがあると思っているんですけど,

こちらのアルバムはそういった側面も丁寧に拾い上げて世界観を作っているのが素敵だと感じました.

このラブソングをかけてでいうとタイトルもあり, ラムのラブソングを想起させられました.

こちらのアルバムをプロデュースしている本間昭光さん, 自分は不勉強で知らなかったんですが,

90年代から日本のポップスの重要人物で, 歴史を作ってきたその人が手掛けているとなればこのクオリティも納得だと思いました.

降幡さんの方も80年代のシティポップは好きなようで,

spotifyに本人が上げているプレイリストに強いこだわりがありそうで面白かったです.

 

ありふれた毎日の歌 by Mito Tsukino

自分はこの曲をSerani Pojiのカバーと認識せずに聴いたんですが, 話し声のようなボーカルとサウンドを綺麗に調和させていて感動しました.

この感じの曲は声優さんとかの文脈で時折生まれる名曲っていう認識なんですが,

小森まなみさんのミトンが真っ先に想起されました.

https://music.apple.com/jp/album/%E3%83%9F%E3%83%88%E3%83%B3/329992314?i=329993275

最近のだとイヤホンズとかRYUTistあたりがすごく洗練された感じの表現をやっててすごいなあって思いながら聴いてます.

ササキトモコさんのお名前は知っていたんですが, ゲームをあまりやらないこともありちゃんと聴いたことはなかったんですが, 気付いたらSerani Pojiのプレミア化していない音源全部買ってました.

こないだ届いて原曲の方も聴いてみたんですが, よりウィスパーボイスみたいな感じでアレンジも相まってフレンチポップやBlossom Dearieのような軽やかなジャズのような印象を受けました.

I Like London In the Rain

I Like London In the Rain

  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

原曲自体精巧なバランスで成り立っているような難しい曲なのに、ボーカルに合わせて異なる印象を与えるリアレンジを成立させていることにササキトモコさんの評判の訳を知った気分です.

 

song.link

正直あまりバックグラウンドを把握していないんですが,

メンバーのショック太郎さんという方のTwitterを特にどういう方なのかわかっていないまま音楽の造詣が深い人としてフォローしていました.

アルバムは音の数が多くてめちゃくちゃ凝っているのに軽やかなえれぽっぷに仕上がっていて,

なんとなくya-to-iを思い浮かべました.

 

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田中ヤコブさんのTHE FOGは去年一番聴いたかもしれない曲の一つです.

今度出るアルバムがサブスクで一部試聴できる状態になっています.

 

  • Can't Run From Love / Michael Stosic

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1982年に100枚しか刷られなかった盤が今年再販されたっぽいです.

最近サブスクのレコメンドで知ったのでめちゃくちゃ曖昧です.

80年代のBlue eyed SoulとかAORに分類されるやつらしく, ジャンル的にはJohn Valentiとかと同じ区分かなるほどねって思いました.

 

  • Say You Will / The Explorers Club

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少し前にペットサウンズレコードで無果汁団のCDとかを買ったときに店員さんに最近のお気に入りを聞かれて,

Julian Berntzenとか北欧のポップス周りって答えたらおすすめしてもらったやつです.

ビーチボーイズとかが引き合いによく出されるバンドっぽいですけど, アルバムにLove So Fineって題の曲があったり確かに60年代へのリスペクトを強く感じます.

他にはDylan Mondegreenというバンドも薦められて気に入っています.

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アルバムのジャケットとBroken Frenchという曲名を見て, これは間違いないと思ってサブスクで真っ先に再生したときに自分の嗜好がわかりやすいなって思いました.

 

  • Skinhead Suit / Doomshakalaka

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Dutch UnclesがRemixした音源がサブスクに上がってて知ったイギリスのおじさんです.

レーベルとかも跨いでるんで固有の名称がわからないですが, イギリスの一部の音楽コミュニティでは互いにRemixしてる音源が気軽にサブスクに乗ってる印象があります.

この曲を聴いて, 真っ先になんとなく矢部浩志さんが好きそうって感じました.

当然この曲と矢部さんは全然関係ないんですが,

以前Twitterで矢部さんが紹介していたAimee MannのCharmerと,

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矢部さん作曲の月の足跡に枯れた麦が沈み, 夜は許してくれないとなんとなく近しいものを感じました.

このラインの曲すごく好きなんですけど, 自分の鑑賞の解像度だと言語化できなくて日々もどかしく過ごしています.

 

先に書きたい曲をプレイリストにまとめてその順に書いてきましたが,

終わりがないので近況報告風に流します.

 

レーベル単位で音楽を探すことそんなにないんですけど, Memphis IndustriesとなりすレコードとElefant RecordsはYouTubeチャンネル登録してちょくちょく見ています.

SpringのBaby BlueはElefant Recordsが最近YouTubeに上げてて知ったんですけど,

Twitterで吉田哲人さんが90年代くらいに流行ってたやつだよって教えてくれました.

吉田哲人さんは去年DJとして出てるイベントにふらっと行ったときにおはなしする機会があり,

以降吉田さんが出演者のイベントに行ったり観客として来てるイベントで会ったりで去年だけで10回くらいエンカウントした気がします.

ディスクユニオン岡崎友紀さんの風に乗ってをおすすめされたり,

Haircut 100を聴いてXTCっぽいなって言ってたら80年代イギリスでの流行りのサウンドでファンカラティーナって言うんやでって教えてもらったりして

ありがたいなぁと思っています.

 

最近ではMONACAの作曲家陣がサブスクの公式プレイリストを公開し選曲や曲順にもこだわりが見えるのが良いニュースですが, 新曲も随時反映されているみたいでうれしいです.

 

サブスクで言うとマクロスシリーズの楽曲が主要サブスクで配信され,

お気に入りの曲 サイレントでなんかいられないが人に薦めやすくなったのがよかったです.

菅野よう子さんきっかけでフロンティアしか観ていないんですが,

最新作?のΔで鈴木さえ子さんとかが音楽担当してるのを知って俄然気になっています.

 

プレイリストの残り2曲はサブスクやらTwitterで知って気に入っていますがなんもわかっていないです.

 

 

このブログを見る人に一定数は知らない曲があるようにしようを裏テーマにしてたら分量が大変なことになっちゃいました.

 

spincoaster.com

natalie.mu

最近聴いている音楽2020/06

最近よく聴いてる音楽をまとめました。

 

  • 檄! 帝国華撃団 <新章> /  佐倉 綾音 (天宮 さくら), 内田 真礼 (東雲 初穂), 山村 響 (望月 あざみ), 福原 綾香 (アナスタシア・パルマ), 早見 沙織 (クラリス)

http://song.link/https://open.spotify.com/track/1MNNNlY5dVYcQcXieJbMO4?si=2M7LddyhQn6on2C35Bll_g

去年くらいにPS4ゲームとしてリメイクされたサクラ大戦ゲキテイですね。サビのメロディなどは原曲通りにしつつ大胆なアレンジが入っています。

声優陣もリメイクにあたり代わっており、早見沙織さんはじめ歌手として活躍されている方々が存分に歌唱力を発揮しています。

自分は作品を元の方もリメイクもやってないので適当なことしか言えないですが、不朽の名作のモダンなアップデートとしてすごい完成度のものになってるんじゃないかって思いますね。

 

PS4持ってないんですがPS4ゲームといえば、十三機兵防衛圏というソフトの渚のバカンスという曲も気に入ってます。80年代を舞台とした世界観のアイドルソングということで、その辺りのテイストが前面に出つつモダンなSF的な雰囲気もあっていい感じですね。

コンテンツの一要素としての音楽をコンテンツに触れずに言及するのは筋が悪いのでPS5出たら買ってみようかなって思ってます。

youtu.be

 

  • Rainbow Mixtures / Julian Berntzen

http://song.link/https://open.spotify.com/track/7jK5AFlvJ8HS2XNdptujZ9?si=90F4m8W4RpmkY0eCz8Wzbg

Julian Berntzenは自分が今年入ってからめちゃくちゃ聴いてるノルウェーの人です。音源はだいたいサブスクにもあるんですが, こないだdiscogsで買えるアルバム全部買いました.

 元々オーケストラとかミュージカル畑の人ということもあり, 良質なポップスっていう形容が合うような整った雰囲気の曲が多いんですがこのRainbow Mixturesは個人的にはイギリスのポップスのような癖を感じる楽曲になってます.

 

  • Cheerio! / 彼女のサーブ&レシーブ

song.link

この曲は7 inchのシングルで持っていてよく聴いていたんですが, つい先日アルバムが出て配信でも聴けるようになりました. どこか気怠げなボーカルが曲に合っていて, 気負わずに聴ける生活に馴染む名曲っていう印象です.

 

youtu.be

この曲はマクロスFのクリスマスライブ向けのアルバムの収録曲です (PV 1:10~あたり).

自分がこのアルバムを買ったのは去年のことで, 今度閉店することになった渋谷レコファンの50円中古コーナーにあるのを見つけて菅野よう子だから間違いないだろうと思って買いました.

ストーリー本編が終わった後のクリスマス曲というポジションだからか, 楽しさ陽気さに思いっきり振っていて聴くだけで一気に気分が盛り上がります.

アニソンのカップリング曲とかコンテンツ本編との結びつきが少し弱くなる領域はその筋の作曲家の人たちが好き勝手なことをしている場という認識があって, サブスクの普及によってその宝の山にアクセスしやすくなったんで定期的にその辺漁ってる今日この頃です.

 

  • ハッピーエンドをはじめから / リゼ・ヘルエス

youtu.be

楽曲提供はTOKOTOKO (西沢さんP)という方です.

この曲を聴いたとき, TOKOTOKOさんが尾崎由香さんに書いたピュアで小悪魔という曲が想起されました.

song.link

TOKOTOKOさんの他の楽曲をあまり聴いたことがないのであれなんですが, ボーカルの人の声を引き出すのがめちゃくちゃうまいという印象を受けます.

バンドっぽいサウンドの合間にウキウキラッパが鳴り響く渋谷系の系譜を感じさせる落ち着いたポップスって感じの趣なんですが, 特徴的な声質を持ったボーカルの幅が広く出るようなメロディや歌の構成になっているように感じます. 声の裏返りや, 話し声に近い発声, 合間の掛け声など人から出る声のパターンを無理なく広く曲に組み込んでいるのがすごくいいなと思いながら最近よく聴いています.

 

  • 小さな手のひら / 吉田哲人

この曲は

神保町試聴室 ドネーション・コンピレーション CD
 
STAY OPEN 〜潰れないで 不滅の試聴室に捧ぐ名曲集〜」

っていうコロナ禍の支援という形で出たアルバムの一曲です.

配信などはなくて, 現在は参加アーティスト何組かのサイト通販で買えるようです. 2枚組で全体的にすごくいい曲がたくさんなので, 特にアイドルとか渋谷系とかその辺りの音楽に関心のある人は買えるうちにぜひ入手してほしいです. 一例としてユメトコスメさんの通販ではまだあるみたいです. アーティストによってはおまけをつけてるところもあるので好きなところからぜひ.

www.yumetocosme.com

 

吉田哲人さんはWHY@DOLLに多数楽曲を提供していたりする方で, 去年くらいから歌手活動も始めました. 7 inchのレコードのみのリリースとかだったりしてオンラインで聴ける音源が基本ない感じです.

 

この小さな手のひらという曲は穏やかな曲調なんですが, アレンジの絶妙なバランスで地味に聴こえない塩梅になっていてすごくちょうどいい感じになっています. ヴァイオリン的な弦楽器の音 (楽器の判別ができない) も入っているんですがかなり音量が絞られていて, 全体として聴いたときにドラマチックになりすぎないさりげない音楽に仕上がっています.

個人的にこの感じの音楽がめちゃくちゃ好きなので, 最近すごく聴いてます.

 

ドラマチックになりすぎないっていう形容すごく気に入っていて脳内でよく使っているんですが, この表現はスカートの澤部さんがラジオで遠い春のアルバム向けのアレンジを評して使っていた語彙をぱくりました.

song.link

この遠い春はサブスクではシングルの方とタイトルが区別されていないんですが, アルバム向けのアレンジでは豪華に弦楽器とか色々入れつつさりげない音楽として作られていてめちゃくちゃいいのでおすすめです.

 

 

 

 

 

途中渋谷系みたいなワードを使っていますが, 渋谷系と評される音楽を雰囲気で聴いた上での雰囲気で使っているので雰囲気です.

 

全然音楽関係ないですがこの動画を気に入っていて, 知ってから定期的に見返してます.

youtu.be

ゲームの描写に対して気象予報士的な立場からコメントをしていくという動画なんですが, 自分では気付けないような演出のこだわりが見えて鑑賞の解像度が上がるような面白さがあります. 加えて, 専門家を専門家たらしめるような感受性のあり方が各所から感じられて楽しいです.

 

あつもりの楽器演奏で興奮する田中秀和さんを観たりして, 専門的知見を持つ人によるゲーム実況の可能性みたいなものを感じる昨今です.

https://youtu.be/xVFjE9i3UdM?t=10095

 

 

この記事途中から句読点がコロンピリオドになっていますが気力が尽きたのでここまでです.

アイカツ!102話の氷上スミレさんが大空あかりさんにアプリコットのフレーバーティーを淹れるシーンが好きだという話

好きなアニメの話をします。

 

アイカツ!はフォローしてたイラストとか描く人が一時期めちゃくちゃアイカツ!の絵を描いていたのを機に遅れて観ました。

 

個人的にすごく魅力を感じたのはキャラクターとその関係性の描写の丁寧さで、物語上の要請でキャラクターの認知が歪んでいると思わせるシーンが少なくストレスなく観られた記憶があります。

それが強く感じられたシーンが102話の氷上スミレさんが大空あかりさんにアプリコットフレーバーティーを淹れるシーンです。

102話は主人公が星宮いちごさんから大空あかりさんに世代交代した最初の回で、コンテクストがないとわからない表現が最低限に抑えられているのでまず観てみてほしいです。

101話まで楽しく視聴し主人公の世代交代に際して果たしてこれまで通り楽しめるかという不安のもと視聴した102話において、このシーンを表現できる製作陣なら178話までちゃんと楽しめると確信させてくれました。

 

表情やリアクションの機微をテキストで表現できないのですがシーンの概要を簡単にまとめると、

 

(寮のルームメイトになることになった初対面の大空あかりさんと氷上スミレさん、寮の部屋に二人で入る)

氷上さん(紅茶好き)、紅茶を淹れることを提案。好みを聞く。

大空さん(紅茶全然わからぬ)、わからないながらも、お砂糖多めとかかな?と答える。適切な返答になっているか不安を抱いている。

氷上さん、笑顔で適切な返答であったと伝える。

氷上さん、アプリコットフレーバーティー(自然な甘い香りが特徴、飲みやすい)を淹れ横に角砂糖を添えて差し出す。

大空さん、最初は砂糖を入れずに紅茶を飲む。アプリコットフレーバーティーが砂糖を入れていない状態で甘い香りがすることに感動。

(シーン転換)

 

こういうことなんですよね。テキストの雑なまとめで抽出できた部分はごくわずかですが、穏やかなシーンながら相手に対するリスペクトや仲良くなりたいというきもちがお互いに全身から出ている名シーンです。

 

アイカツ!の名シーンまとめのようなものが作成されるときにはまず入らないシーンでしょうが、人間性や関係性の描写としてしっかり時間をかけて丁寧にこれを描くことができる製作陣ならば、今後どのようなストーリーが展開されてもキャラクターそれぞれが選んだ道なんだなと納得できると思わせる説得力を感じました。

 

子供向けアニメは教訓を含むことが多いですが、造詣が深い人間がそうではない人間に何かを薦めるという状況においてこの二人は学ぶべき行動をとっているなと思います。

造詣の深い人間は、相手の無知を馬鹿にせずわかる範囲のことから相手が好みそうな最良のものを選択してさりげなく差し出す。

薦められる人間は、薦められたものを相手が意図した形で触れて理解することを最初に試みる。

分かっていても現実にはなかなか難しいことを教育的な形でなくお互いの相手と仲良くなりたいというきもちの発露としてさりげなく描けることにものすごく感動を覚えますね。

 

 

 

このシーンに限った記事を書きましたが、この102話からのエンディングもめちゃくちゃ好きです。

石川佳代子さんのイラスト、田中秀和さんの曲、こだまさおりさんの歌詞、アイドル各位のボーカル、どれをとってもめちゃくちゃいい。

「鏡の私にキスして笑顔の打ち合わせ」というフレーズのシーンが映像音全部めちゃくちゃ好きです。

 

 

 

近いアニメの名シーン(話)として、

カードキャプターさくら クロウカード編 第16話「さくらと思い出の虹」

がものすごく好きなんですけど、相関図や話の構造が少し複雑なので是非観てくださいとしか言えないです。是非観てください。

この記事はこれくらいにしておきます。

Spotifyのレコメンドで遊んだ話

 

  • 概要

Spotifyアプリのプレイリストって末尾にプレイリストからのおすすめの楽曲が表示されるんですよね. こういうレコメンドの背後のアルゴリズムを想像しながらプレイリストを作ったら, 効率よくいい感じの音楽を探せるかなと思って遊んだっていう記事です.

いろいろ試した結果, 日本語でも英語でもネットにそんなに情報がない北欧のいい感じのポップスをいくつか見つけられたので楽しかったです.

  •  背景・動機

コンテンツのレコメンド機能の基本的な構造としては, ユーザーの履歴から近い傾向を持ったユーザー層を推定してその層から評価が高いコンテンツを提示するというものになってます. Collaborative Filteringとか呼ばれるアプローチですがだいぶ雑な説明を書いています.

昔だとユーザーの傾向を表現するのに項目が予め決められていたと思うんですけど (この人はポップスが10好きでロックが5好きでクラシックは1好きなような形),  今のちゃんと組んでるレコメンド機能だと傾向の表現自体から学習してやってくれてるはずです.

 

Spotifyのプレイリスト単位のレコメンド機能を見たときに天啓が舞い降りました.

 

探したい音楽性に合わせて注意深くプレイリストを作れば, 探したい音楽に造詣が深い人の知見からのレコメンドが得られるのでは

 

と.

 

  • 手法の検討

こちらは自分が好きな曲を雑多に突っ込んでいるプレイリストです.

 

open.spotify.com

このプレイリストのレコメンドから知って気に入った曲も多数あるんですが, アイカツ!楽曲のサブスクが解禁されたときに好きな曲を適当に入れたらレコメンドの半分以上がアイカツ!関連楽曲・MONACA関連楽曲になって目新しさが消えました.

 

レコメンド機能はユーザーやコンテンツをある程度単純化したモデルを用いるのでわかっていたことなんですが, わかりやすい共通項のある楽曲が多くなるとサジェストが安直なものになってしまい面白くないですね.

 

  • 実験・考察

レコメンド機能を用いた音楽探索の新たな可能性として, 言語が全然違う領域の音楽好きの人々の知見が利用できるということに個人的にすごく期待しているので北欧のいい感じのポップスを探そうと思いました.

レコメンド機能を使うには種となる楽曲がいるので以下をこちらで用意しました.

 

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このアルバムは不動前のDJイベントでmicrostarの佐藤清喜さんがかけていて知りました. 詳細は分かってないですがなんらかの音楽をやっている人のソロプロジェクトみたいです.

 

open.spotify.com

この曲はDouglass Carrという人の作曲で, Douglass Carrさんは90年代くらいに日本でプロデューサー的なことをしていました.

その手掛けた作品の一つである佐藤康恵さんのjasuenというアルバムがめちゃくちゃ良かったので調べて知りました. jasuenにはエデンズボゥイというアニメのED曲とかも収録されています.

 

open.spotify.com

この曲はよく行くCD屋の楽曲紹介ブログで知りました. XTCとかみたいな英国音楽らしいグッドメロディとスウェデッシュポップの洗練されたサウンドみたいな文言に惹かれて聴きました.

このブログです :

http://www.petsounds.co.jp/page002.html

open.spotify.com

この曲はなにきっかけで知ったのか記憶がないんですが, 多分上記3曲関連のレコメンドで知りました. 元々オーケストラとかミュージカル畑の人で20歳までポップスを作ったことはないらしいんですが (英語wikipediaの斜め読み情報), 整ったサウンドの良質なポップスって感じで好きです.

この人のアルバムを気に入ってあるだけdiscogsでポチったらコロナの影響で複数の出品者と何度も英語でやり取りすることになってしまいました.

 

open.spotify.com

以上の4曲を基準にして育てたプレイリストがこちらになります.

曲数が少ないうちはユーザー情報が初期値として出てきやすいらしく有名J-POPばっかりでした. 個々の曲に関する周辺情報はほぼないので書かないですがいい感じの音楽が探せて満足しています.

途中レコメンドが好きな音楽性からずれたのでXTC, Squeeze, Prefab Sprout, France Gallあたりの間違いないヨーロッパの音楽を入れて音楽性の誘導を試みてます.

 

(Positive Forceはヨーロッパじゃないですが, 数年前のタワレコAOR特集の目玉商品になってたので知って好きなので混ぜました.

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John Valentiっていう人がやっててその人の音楽もサブスク各種にあるのでお勧めです.)

 

open.spotify.com

一曲だけ言及するとこの人のことは全然しらないんですが, サウンドがすごく耳に馴染むなって感じました.

少し考えてから気付いたんですが北欧の音楽といえば昔のインターネットで, うっうーうまうまとか空耳みたいなのが流行ってたのって北欧の音楽でしたね. 自分はその辺をそんなに通ってないんですが意外なところで日本のネット音楽とのつながりを認識して面白かったです.

 

プレイリスト追加したり削除したりしながらレコメンド見てこのアプローチで見つかる部分はあらかた聴けたかなって満足しました.

 

  • 結論・感想

たのしかったです. またやりたいです.

英国音楽がわからない話

前回の記事に引き続き, 音楽紹介の形を借りた自己紹介記事です.

 

前回にもまして文章にまとまりがないので触れた楽曲のプレイリストを作ってここに貼ります.

大体言及順ですがSpotifyにないやつは似たニュアンスの曲を入れたり触れてない曲数曲最後に入れてます.

https://open.spotify.com/playlist/1LkCLBOr3Q7AL9phShhUoC?si=I1It3CpiSAagyyPLDVp4xA

 

自分が音楽を探すこの一年くらいの主な手段は

  • 好きな音楽を作る人・その人が感性を信頼していそうな人のtwitterを見る.

オタク気質的なものとストーカー気質的なものがすごく出ていますね.

そういう訳でtwitter始めた中学生くらいのときにハマったスカートの澤部さんの感性にめちゃくちゃ影響を受けています.

  • いい感じの音楽がかかるDJイベントに行く.

ここでいうDJイベントは, DJが好き勝手に好きな音楽をかけてそれを聴きながらスマホいじるタイプのやつです. 気になったのがあればShazamしてなければDJの人にジャケットの写真撮らせてもらったり話聞きに行きます. 割と渋谷系コンテクストにいる人たちのやってるイベントに行くことが多いですが, いまだに渋谷系がなんなのかピンときてないです.

  • サブスクのレコメンドを漁る.

サブスクのレコメンド機能を使って音楽を探すことが最近増えました.

意識的に利用しているのがSpotifyのプレイリスト単位のレコメンド機能です. 自分でレコメンドの基準にできる音楽が選べるので探したい音楽性に合わせてプレイリストを作るって遊びをよくしてます. 最近作ってたのは北欧のポップスで日本語どころか英語でもネットに情報がそんなにない領域をいくつか見れたので満足してます. そのとき作ったプレイリストがこれなんですが途中でレコメンドの方向性を誘導するためにXTCとか混ぜているので完全に自分用です.

open.spotify.com

 

こんな感じで文献をあたったり勉強したりして教養を身につけることをサボった結果, 音楽的な語彙に対するイメージが偏っていて何もわからないです.

一切の先入観なく芸術を鑑賞するのが良いみたいな立場ではなく, むしろ教養が鑑賞の解像度を上げるという立場なんですが完全に怠惰によってここまできてしまいました.

 

 

それでもなんとか自分の音楽的嗜好を言語化しようとすると英国音楽という言葉が頭に浮かぶのですが, 「イギリス ポップス」で検索するとまともに聴いたことない / 聴いたことあるけどはまらなかったバンドの名前ばっかりでかなしいきもちになったので自分の歪んだイギリスの音楽像を記事にします.

 

自分のイギリスのポップス像の形成背景を書くと,

高校時代にXTCにどハマりする

XTCに似ている / 影響を受けている とされるイギリスのバンドを漁る

twitterをやってるバンドを見て緩やかな音楽コミュニティを発見してフォローする

という流れなので当然網羅性は一切ないです.

 

完全に主観の偏見です. 例を出してニュアンスを察してもらおうと思います.

 

http://song.link/https://open.spotify.com/track/2zVGsqsZZVP3zN8Oj73hgz?si=HQx_53aoRtGITtywakmHEw

この曲は, 恋人とうまくいっていると思っていたらいきなり別れを告げられた曲です.

悪いところを言ってほしい, 頑張って直すから...でもそれを完全に期待されるとがっかり (disappointed)されるとは思うということをサビで繰り返し言っています.

 

http://song.link/https://open.spotify.com/track/7AVWKKWFtH911y9YDjqLV5?si=FskNoYIVTQa6jVC1LFEqfg

このタイトルの英語は辞書を引くと虐殺されたとか物騒な意味になる単語3つなんですが, 歌詞を見ると恋人に振られた後に街で見かけたりしたときの感情を綴った歌になっています.

 

http://song.link/https://open.spotify.com/track/1QSe34AvBgTBTpRK3RLpQe?si=v8ZgIxKyTRyYmw_Y5h202w

この曲は, すごく優秀な女性と付き合って別れた男がずっといやみを言っている歌です. 歌詞の内容を見た上でタイトルを見るとすごい女々しいなって気がしてきます.

 

youtu.be

スピッツと英国音楽の関連みたいなのネットでたまに見てピンときてなかったんですが, ふとこの曲のMVを観たとき, 綺麗な女性の前で延々とカッコ悪い動きをし続けるスピッツと楽曲にめちゃくちゃ英国を感じて一気に納得しました. スピッツここ数年までそんなにちゃんと聴いてこなくて最近すごくいいなと思っているんですがなかなかリアルタイムファンと藤井聡太さんに対する変なコンプレックスが消えないですね.

  • リズム体の主張が強い

自分がよく行くCD屋の店員さんの知り合いの英国音楽好きが言っていたらしいことなんですが, イギリスのポップスの特徴としてリズム隊の主張の強さが挙げられるらしいです. 言われてみてから聴くとなんとなくそんな気がするようになりました.

http://song.link/https://open.spotify.com/track/79q8UqNb1RFVx4hIbQYVzg?si=SwgXRk2gRe6yeBN9RBJOtQ

リズム体っていう言葉にもベースとドラムくらいの認識しかないんですが, この曲はベースがめちゃくちゃ主張していて好きです. ベースの人不機嫌そうな顔で演奏していますが, このバンドで曲を作っているのは基本このベーシストRobin Richardsさんだという知識を持ってみると楽しそうに見えます.

 

http://song.link/https://open.spotify.com/track/6PSqpcP7qP3ugM9D44LzUA?si=VUG10kA5QWeLaqZLEeeCAQ

高校時代XTCに似ているっていうバンドとして知って, 気に入って聴いていました. なんかのインタビューでXTC知らなかったって答えてて, 何かに似ているって無責任に言うのはよくないよなって思いました.

 

http://song.link/https://open.spotify.com/track/3AstA2ryuKqdjQlzN59Mc6?si=7Ud11UKiTUOW4LljlGbMdQ

この曲もリズムがよく主張していて好きですね.

感性の形成自体にスカートとかXTCあたりの影響がでかくて, 先行して発生している感情に後付けをして論理的な人間の顔しているみたいなきもちになるのでその辺の音楽に対する感想が難しいです.

  • うっすらとした曇り空

これも完全に主観ですが英国音楽でイメージする天気はうっすらとした曇り空です.

youtu.be

このMVは曇り空の下, すかした顔でバンドメンバーが歩いていて道中で綺麗な女の人に連れられてメンバーが一人一人画面から消えていきます. MVの最後は縄に縛られたバンドメンバーがみんな転がってる図で終わります.

 

youtu.be

曇ってますね. 最近気付いたんですが, イギリスって気候区分的にだいたいそんな感じの天気でしたね.

 

  • なんか複雑そうな曲をたまに作る

表現する語彙が全く思いつかないんですが念頭にあるのはXTCApple Venusです. サブスクとかにはないです. イギリスのバンドといえば偏屈な人たちでたまに難しい曲作るって印象があります.

http://song.link/https://open.spotify.com/track/3EXTl5KOEog2pt4h5WrXB8?si=JEwAVeKRSYan-ITISwX3Hw

オーケストラっぽい感じも入って高尚な雰囲気を感じます.

 

youtu.be

ライブ映えとかしなさそうっていう印象を受けますね. MVはボーカルがスーツで踊るだけなんですが, 服装と体格・頭蓋骨が高校時代の塾講師にそっくりでシュールさが増して見えたこともあり人生で一番回数観たMVだと思います.

youtu.be

ライブ映えしないって書いたんですが, 数年前のライブ動画でめちゃくちゃかっこいいライブ向けアレンジがされていたのでそちらも合わせてどうぞ.

最近bandcampで音源が無料から手に入るようになったのでお勧めです. The Blue NileのStayのカバーも入っていてめちゃくちゃいいです.

Live at Old Granada Studios | Dutch Uncles

 

XTCのイメージがありイギリスのバンドは齢を重ねるとスタジオに篭り録音芸術化するという偏見を持っているのですが, 例外的に好きなのがこちらです.

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偏屈なイギリスのポップスで(youtubeとかサブスクの数字を見るに)一発当てたバンドが5年後に無邪気で楽しそうなおじさんの集まりになりました. このバンドの行末をずっと気にしているのですが新曲は出ないし解散もしないので一人なんともいえないきもちでいます.

 

 

好き勝手に書きましたが収集がつかなくなったので終わります.

ここ最近気に入ってる音楽のお話

文章を対外的に発信する場所がtwitterくらいしかなかったのですが, 去年深夜に死にそうになって救急車を呼ぶ際に自分の感覚を言語化する能力のなさを痛感したのでブログを始めることにしました.

 

好きな音楽とかを中心に趣味のコンテンツのことを書いていこうと思いますが, 何に関しても体系的な理解などがないので自己紹介的に最近気に入ってる音楽を自身の音楽遍歴を交えながら紹介しようと思います.

好きなジャンルみたいな形で一般化した枠組みに落とし込むことが出来ないので共通点がありそうな具体例を複数挙げて, 具体から抽象を想像してもらえたらという魂胆です.

 

とりあえずなんかアウトプットしようという記事です.

Spotifyで気に入った曲を雑多に突っ込んでいるプレイリストがあるのでこれを見てもらえたらどういう嗜好の傾向かは分かりやすいと思います.

https://open.spotify.com/playlist/66nG98xxLXbqXM4zsKUBWS?si=CtQJEEEuQjOlMH4O6DysJA

 

http://song.link/https://open.spotify.com/track/4eEA8tYwqBz9FN82PaQ9eB?si=Rcs0ZSFoQH-UKt1-8IR4wA

高校時代にtwitterから知って, それ以降ずっと好きな曲です. 穏やかな曲調でありながら地味に感じさせない遊び心やお洒落さ, 可愛らしさがあって飽きることなく聴いています.

この曲のシングルや同題のアルバムは自分の知る限りではちゃんとCD化はされていないみたいなんですが, 各種配信にはあって聴けるのでいい世の中だと思います.

自分は地元のTSUTAYAにあったフレンチポップのオムニバス盤をレンタルして長らく聴いていたんですが, 最近そのCDを改めて買いました. 自分にとってのフレンチポップ像はこのオムニバス盤によって形成されているといっても過言ではないんですが, 他にもCD化されていないようなのも含めて良い曲が多いので曲目を見てサブスクなどで聴いてみるのもおすすめです.

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ブックレットの解説などもしっかりしているので基本中古しかなさそうですが盤を購入する価値はあると思います. 丁寧に解説が入っていますが音楽的語彙に対する感覚がないので自分はあんまり理解できていないです.

 

http://song.link/https://open.spotify.com/track/5J3OF4fsNK42pRkndCvgLz

yuanfenというアルバムの一曲です. yuanfenは基本的に作曲が田中秀和さん作詞が鹿乃さんで編曲を様々な方がやっているという構成になっていて, この曲はOliver Goodさんが編曲を担当しています.

自分が鹿乃さんと田中秀和さんの作品として想起するのはday by dayやLinaria Girlで, 田中秀和さんの穏やかながらも何らかのすごい技巧によってクセのあるサウンド(ネットにたくさん書いてありますが何もわかっていないです)と鹿乃さんの優しいボーカルが調和してすごく気に入っています. おかえりもそれらの曲を聴いたときと同じ脳の箇所を刺激されて心地よくてリリースされてからずっと聴いています.

突然人を肩書きや経歴のみから語るあやしいことをすると, 編曲のOliver Goodさんは数年前にMONACAに入社したイギリス出身(多分)の方で, MONACAの人々が作る音楽好きかつ英国音楽好きとしてこっそりめちゃくちゃ期待をしています. 世に出てる仕事はまだ少ないですが, 作曲をしている河野万里奈さんのMARINARINGもすごくいいので聴いたことない方はぜひ聴いていただきたいです.

http://song.link/https://open.spotify.com/track/4Hx0YZomUr6RpSWGFA0NEf?si=g3XXGhN5QB-sCP24tZL6LQ

楽曲と全然関係ないんですが最近田中秀和さんのyoutube配信をよく観ています. 穏やかな人柄とコンテンツを提供するプロとしての思慮深さと戦略高さが伺えて, 善良な人を眺める和むような楽しさと凄い人がそのスキルや知見を発揮するのを観る面白さが感じられてすごくいいです. あつもりのゲーム実況で始終穏やかな笑顔だった田中秀和さんが視聴者から贈られた楽器を触った瞬間真顔で集中し始めて, それなりの時間無言で演奏した後に破顔一笑してめちゃくちゃ楽しい!って大きめの声で言う場面めちゃくちゃ好きで何度も観てます.

  • 夜は許してくれない / Controversial Spark

http://song.link/https://open.spotify.com/track/1kCKXVDSBZquJ2ETZDTT3W?si=OOhsjbudSMK2OGBwY7S2Sg

2019年一番聴いた曲の一つです.

Controversial Sparkはムーンライダーズ鈴木慶一さんやカーネーション矢部浩志さんが在籍するバンドです.

暗くならず明るくならずという絶妙な塩梅のサウンドで滔々と歌い上げるボーカルが入って飽きずにずっと聴ける一曲ですね. 技術的には複雑なことをしていそうだけど自分の辞書に語る言葉が何も見つからないです.

この曲を作曲してる矢部浩志さんが現在白血病のため入院されているのですが, その応援や入院費の支援などを目的としたトリビュート盤が今度出るようです.

 自分はとりあえず予約したんですが, 同じ方が以前に企画したカーネーションのトリビュート盤もすごく出来がよくてめちゃくちゃ気に入ってるので単純に音楽としてすごくいいものができることが期待されるのでおすすめです.

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辻林美穂さんは昨年末のイベントで知らない状態でライブを観て一発で持ってかれました. 自分は音楽に関する教養が少なく, 特に初めて聴く音楽に対する解像度が低く, ライブとかで知らない曲を聴いても楽器の音の一つ一つを区別できずにでかい音の塊としてしか受け取れないことが多いです (自分の脳内では教養のなさから鑑賞の解像度が落ちるSF大体スターウォーズ現象と呼んでいます). そんな自分が初めて観る辻林美穂さんのライブで楽器の音が脳内で一つ一つ綺麗に聴き取れ, 全体としてすごく良質なポップスを感じられたのは大きな衝撃でした.

良質なポップスという形容しか自分の語彙ではできないんですが, ライブ後twitterを見たら自分がフォローしてる人が大体辻林美穂さんをフォローしてるのが見えて納得しました.

辻林美穂さんの他のお仕事では, まちカドまぞくというアニメの主題歌「町かどタンジェント」の作曲を担当されておりそちらもめちゃくちゃいいのでおすすめです.

http://song.link/https://open.spotify.com/track/24lSEGeRzBo0OiLEkp2pt1?si=x0mnRJhMTdi37R2KGXWfEQ

http://song.link/https://open.spotify.com/track/5y6uVA19jfA71aZF50heqm?si=hYQ-SU1BQ7iGKCel-Laidw

浜崎あゆみさんがリミックス用の音源を公開して話題になっていましたが, 浜崎あゆみさんって昔からリミックス音源をたくさん出していたんですね. このリミックスは製作者の佐藤清喜さんがDJイベントでかけていたのを聴いて知りました.

シリアスな歌が似合う美声のボーカルがめちゃくちゃポップな音の中で響くのが好きで, 平井堅さんのPOP STARとかALI PROJECTさんのピアニィ・ピンクとか好きです.

静謐な冬を想起させるサウンドが好みで, 

http://song.link/https://open.spotify.com/track/67wvjileKScjW7emrpWm3F?si=Z4R0YjFGTtaYBxwEeovmDg

http://song.link/https://open.spotify.com/track/0AlxJRpq1RNxpgbWlRCeuQ?si=p9NzK0xyTN-1AJGM-uBUSg

最近この辺の北欧のポップスを漁っているんですが, 北欧は寒いから日本でいう冬のモチーフは出来やすいよなとこの間不意に納得しました.

  •  恋せよ乙女 / 加納エミリ

 

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加納エミリさんは北海道出身のアイドルの方で作詞作曲振付その他諸々自分でやってる方です. 80年代エレポップとかニューオーダー歌謡とか言われて熱狂的支持を受けている方ですが, そのあたりの音楽に明るくなくて語る言葉が自分にないので検索していただければと思います.

去年ふらっと行ったDJイベントで作曲家の吉田哲人さんに熱弁されて知ったのですが, 音楽も振り付けもスタイリッシュにカッコよく決めることができるのに意識的にそこをずらして見せるやり方がエンターテインメントの見せ方としてすごく好感をもっています. 昔の空気を感じさせるコミカルな見せ方をしていながら細部でしっかり今のおしゃれさが出ていてアイドルという音楽が一要素であり人を見せるコンテンツとしてすごくよくできているなって思って観ています.

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80年代もエレポップも何もわからないので全然関係ない音楽だろうけど脳内で近いものとして認識されているものを列挙するお行儀が悪いことをして, どういう風に認識しているか察してもらおうと思います.

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自分にとって古きよきコミカルなサウンドといえば増田俊郎さんの楽曲が思い浮かびます. 増田俊郎さんはコミカルな楽曲やあたたかな楽曲を作るのがすごくうまい方で, (自分は世代じゃないから全くわからないんですが, )ダウンタウンの番組で曲を書いたエキセントリック少年ボーイは有名そうです. またアニメのだぁ!だぁ!だぁ!の音楽も務められており, そちらの楽曲もすごくいいです.
この茶の間でチャチャチャという曲は昔ブックオフで100円でコミカルで楽しい雰囲気が好きで人生で最も長く聴いてる曲の一つになってます. 80年代とか知らない自分が加納エミリさんのサウンドで懐かしさを感じるのはこの辺りの影響かなって思っています. 加納さんも80年代を通っているわけではないので詳しい人が見ると全体的にあやしい文章になってそうですが……

加納エミリさんのスタイリッシュに振らない悪趣味さはセルフプロデュースという形態でよく出ていて, アルバムのmixをCD/配信とアナログで変えているのですが, アナログは本人がやっているのですが配信のに比べるとスタイリッシュなまとまりが薄まって悪趣味さが前面に出ているので思わず笑ってしまいます.

 

http://song.link/https://open.spotify.com/track/5YUUNh8UuGpp3qsWkgIoeU?si=vV3MZjjBQnWNOZMcgz5J1A

エレポップ的サウンドとして自分が想起するのはスペインの歌手Cristina Quesadaです. この方を知ったのも去年なんですが同様に80年代エレポップとか言われてる方です. 自分がこういう音が好きなんだなこの辺りの音楽を聴いて感覚的に思いましたね. この方のウイスパーな雰囲気のボーカルは子音が響きに強く出る言語とサウンドの相性がすごくいいのでおすすめです.


一曲の項目を立てておきながら複数の思い入れのある曲を引いたので長くなってしまいましたが歌詞にも注目して何曲か挙げたいと思います.

 

http://song.link/https://open.spotify.com/track/1zeSre7keUeCOYErERCl51?si=H_jRJZRTSTiU_UyfgsriYw

フィロソフィーのダンスさんは今年スカートとのツーマンで初めてライブを観たんですがめちゃくちゃパワフルなパフォーマンスで圧倒されましたね. ライブの熱量がすごくてアンコール時にスカートの澤部さんがこんなに一体感のあるようなアイドルのライブを観ることがないので感動したという感じのことを言っていましたが同じ感想を持ちました. ボーカルにそれぞれの個性がすごくあって, 一曲の中でそれが調和して聞こえるのはアイドルとしての世界観・ボーカルの技術とそれを生かす楽曲制作陣のリスペクトがベースにあるんだろうなと感じます.

このスピーチという曲は, 雑にまとめるとずっと好きだった人と友人の結婚式に出席する歌です. 屈折した人間なのでこういう複雑な感情を丁寧に描いた描写が好きです.

自分の中で大きな感情を抱いた相手の結婚式に出席する歌は名曲という法則があるのですが, XTCのHarvest Festivalもその曲の一つでめちゃくちゃ好きな曲です.

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ちなみに大きな感情を抱いた相手の結婚式に出席する歌はこの二曲しか知らないです.

 

Run Girls, Run!石濱翔(只野菜摘)四季シリーズとして一定層から熱烈な支持を得ている作品群の一曲目です.

歌詞としては, 都会のキラキラした女の子に対するコンプレックスを抱いている垢抜けない女学生の心情を綴ったものになっています. 自分にすごく刺さった一節としては, 

きれいな子はたくさんいる

バレエとか習ってたり

都会に住んで 私立に通うような

というのがあります. 自分としても地方の高校から私立出身の子が多い東京の大学に出てきたのでこの類のコンプレックスは身にしみて感じていて, 歌詞を聴いて胸を掴まれるような思いがしました. この曲がキラッとプリ☆チャンのアニメのシングルのカップリングであることを知ったときは, こんな立地や家庭環境・ステータスから来るようなえぐいコンプレックスを子供にぶつけるのどういうスタンスなんだって思いました.

song.link

音について触れると, 石濱翔さんがtwitterでこういうサウンドが好きという話をしているのを見てすごく納得しました. 言語化は出来ないです.

 

 

 

感情が前に出て収集がつかなくなったので終わります.

英国音楽とかの言葉を記事中チラッと書いたのですがXTCに影響を受けまくった一般的な概念とは異なるものが脳内に展開されていると思うのでその辺も記事として書けたらなと思っています.

田中秀和さんがゲーム実況やっているのに関して, 専門的知見を持っている人がゲーム実況をやることによる面白さみたいなことも感じたので音楽に限らずそういう思いつきも書いていきたいです.