英国音楽がわからない話
前回の記事に引き続き, 音楽紹介の形を借りた自己紹介記事です.
前回にもまして文章にまとまりがないので触れた楽曲のプレイリストを作ってここに貼ります.
大体言及順ですがSpotifyにないやつは似たニュアンスの曲を入れたり触れてない曲数曲最後に入れてます.
https://open.spotify.com/playlist/1LkCLBOr3Q7AL9phShhUoC?si=I1It3CpiSAagyyPLDVp4xA
自分が音楽を探すこの一年くらいの主な手段は
- 好きな音楽を作る人・その人が感性を信頼していそうな人のtwitterを見る.
オタク気質的なものとストーカー気質的なものがすごく出ていますね.
そういう訳でtwitter始めた中学生くらいのときにハマったスカートの澤部さんの感性にめちゃくちゃ影響を受けています.
- いい感じの音楽がかかるDJイベントに行く.
ここでいうDJイベントは, DJが好き勝手に好きな音楽をかけてそれを聴きながらスマホいじるタイプのやつです. 気になったのがあればShazamしてなければDJの人にジャケットの写真撮らせてもらったり話聞きに行きます. 割と渋谷系コンテクストにいる人たちのやってるイベントに行くことが多いですが, いまだに渋谷系がなんなのかピンときてないです.
- サブスクのレコメンドを漁る.
サブスクのレコメンド機能を使って音楽を探すことが最近増えました.
意識的に利用しているのがSpotifyのプレイリスト単位のレコメンド機能です. 自分でレコメンドの基準にできる音楽が選べるので探したい音楽性に合わせてプレイリストを作るって遊びをよくしてます. 最近作ってたのは北欧のポップスで日本語どころか英語でもネットに情報がそんなにない領域をいくつか見れたので満足してます. そのとき作ったプレイリストがこれなんですが途中でレコメンドの方向性を誘導するためにXTCとか混ぜているので完全に自分用です.
こんな感じで文献をあたったり勉強したりして教養を身につけることをサボった結果, 音楽的な語彙に対するイメージが偏っていて何もわからないです.
一切の先入観なく芸術を鑑賞するのが良いみたいな立場ではなく, むしろ教養が鑑賞の解像度を上げるという立場なんですが完全に怠惰によってここまできてしまいました.
それでもなんとか自分の音楽的嗜好を言語化しようとすると英国音楽という言葉が頭に浮かぶのですが, 「イギリス ポップス」で検索するとまともに聴いたことない / 聴いたことあるけどはまらなかったバンドの名前ばっかりでかなしいきもちになったので自分の歪んだイギリスの音楽像を記事にします.
自分のイギリスのポップス像の形成背景を書くと,
高校時代にXTCにどハマりする
→XTCに似ている / 影響を受けている とされるイギリスのバンドを漁る
→twitterをやってるバンドを見て緩やかな音楽コミュニティを発見してフォローする
という流れなので当然網羅性は一切ないです.
- ただただ情けないのが英国音楽の伝統芸能
完全に主観の偏見です. 例を出してニュアンスを察してもらおうと思います.
http://song.link/https://open.spotify.com/track/2zVGsqsZZVP3zN8Oj73hgz?si=HQx_53aoRtGITtywakmHEw
この曲は, 恋人とうまくいっていると思っていたらいきなり別れを告げられた曲です.
悪いところを言ってほしい, 頑張って直すから...でもそれを完全に期待されるとがっかり (disappointed)されるとは思うということをサビで繰り返し言っています.
http://song.link/https://open.spotify.com/track/7AVWKKWFtH911y9YDjqLV5?si=FskNoYIVTQa6jVC1LFEqfg
このタイトルの英語は辞書を引くと虐殺されたとか物騒な意味になる単語3つなんですが, 歌詞を見ると恋人に振られた後に街で見かけたりしたときの感情を綴った歌になっています.
http://song.link/https://open.spotify.com/track/1QSe34AvBgTBTpRK3RLpQe?si=v8ZgIxKyTRyYmw_Y5h202w
この曲は, すごく優秀な女性と付き合って別れた男がずっといやみを言っている歌です. 歌詞の内容を見た上でタイトルを見るとすごい女々しいなって気がしてきます.
スピッツと英国音楽の関連みたいなのネットでたまに見てピンときてなかったんですが, ふとこの曲のMVを観たとき, 綺麗な女性の前で延々とカッコ悪い動きをし続けるスピッツと楽曲にめちゃくちゃ英国を感じて一気に納得しました. スピッツここ数年までそんなにちゃんと聴いてこなくて最近すごくいいなと思っているんですがなかなかリアルタイムファンと藤井聡太さんに対する変なコンプレックスが消えないですね.
- リズム体の主張が強い
自分がよく行くCD屋の店員さんの知り合いの英国音楽好きが言っていたらしいことなんですが, イギリスのポップスの特徴としてリズム隊の主張の強さが挙げられるらしいです. 言われてみてから聴くとなんとなくそんな気がするようになりました.
http://song.link/https://open.spotify.com/track/79q8UqNb1RFVx4hIbQYVzg?si=SwgXRk2gRe6yeBN9RBJOtQ
リズム体っていう言葉にもベースとドラムくらいの認識しかないんですが, この曲はベースがめちゃくちゃ主張していて好きです. ベースの人不機嫌そうな顔で演奏していますが, このバンドで曲を作っているのは基本このベーシストRobin Richardsさんだという知識を持ってみると楽しそうに見えます.
http://song.link/https://open.spotify.com/track/6PSqpcP7qP3ugM9D44LzUA?si=VUG10kA5QWeLaqZLEeeCAQ
高校時代XTCに似ているっていうバンドとして知って, 気に入って聴いていました. なんかのインタビューでXTC知らなかったって答えてて, 何かに似ているって無責任に言うのはよくないよなって思いました.
http://song.link/https://open.spotify.com/track/3AstA2ryuKqdjQlzN59Mc6?si=7Ud11UKiTUOW4LljlGbMdQ
この曲もリズムがよく主張していて好きですね.
感性の形成自体にスカートとかXTCあたりの影響がでかくて, 先行して発生している感情に後付けをして論理的な人間の顔しているみたいなきもちになるのでその辺の音楽に対する感想が難しいです.
- うっすらとした曇り空
これも完全に主観ですが英国音楽でイメージする天気はうっすらとした曇り空です.
このMVは曇り空の下, すかした顔でバンドメンバーが歩いていて道中で綺麗な女の人に連れられてメンバーが一人一人画面から消えていきます. MVの最後は縄に縛られたバンドメンバーがみんな転がってる図で終わります.
曇ってますね. 最近気付いたんですが, イギリスって気候区分的にだいたいそんな感じの天気でしたね.
- なんか複雑そうな曲をたまに作る
表現する語彙が全く思いつかないんですが念頭にあるのはXTCのApple Venusです. サブスクとかにはないです. イギリスのバンドといえば偏屈な人たちでたまに難しい曲作るって印象があります.
http://song.link/https://open.spotify.com/track/3EXTl5KOEog2pt4h5WrXB8?si=JEwAVeKRSYan-ITISwX3Hw
オーケストラっぽい感じも入って高尚な雰囲気を感じます.
ライブ映えとかしなさそうっていう印象を受けますね. MVはボーカルがスーツで踊るだけなんですが, 服装と体格・頭蓋骨が高校時代の塾講師にそっくりでシュールさが増して見えたこともあり人生で一番回数観たMVだと思います.
ライブ映えしないって書いたんですが, 数年前のライブ動画でめちゃくちゃかっこいいライブ向けアレンジがされていたのでそちらも合わせてどうぞ.
最近bandcampで音源が無料から手に入るようになったのでお勧めです. The Blue NileのStayのカバーも入っていてめちゃくちゃいいです.
Live at Old Granada Studios | Dutch Uncles
XTCのイメージがありイギリスのバンドは齢を重ねるとスタジオに篭り録音芸術化するという偏見を持っているのですが, 例外的に好きなのがこちらです.
偏屈なイギリスのポップスで(youtubeとかサブスクの数字を見るに)一発当てたバンドが5年後に無邪気で楽しそうなおじさんの集まりになりました. このバンドの行末をずっと気にしているのですが新曲は出ないし解散もしないので一人なんともいえないきもちでいます.
好き勝手に書きましたが収集がつかなくなったので終わります.